未読手帖Ⅱ

  ― 読書とお散歩の日々、ときどき仕事。 ―

読書メモ

読書メモ:『密室の鎮魂歌(岸田るり子/創元推理文庫)』

密室もの。途中まですごく面白く読み進めていたのに、最後の謎解きの章でトーンダウン。いくらなんでもねぇ、という結末だった。まぁ、風呂敷を広げすぎてちょっと畳めなかったという感じがするけど、完全密室ものってどうしても無理があるからこんなものな…

読書メモ:『盤上の向日葵(中央公論新社/柚月裕子)』

なんかもうテンコ盛りの作品だなぁ、というのが読後の印象。著名な将棋の駒の行方が鍵を握るミステリーで、主人公は異色の将棋指し。若い刑事とベテラン刑事による松本清張風の地道な捜査がベースになっているけど、砂の器風の幼少期の物語が始まったり、突…

読書メモ:『変調二人羽織』(連城三紀彦/光文社文庫)

ようやく自粛が解除されたけど、まだ出歩いていないわけで、本棚にある本をテキトーに読み返している。その中に『戻り川心中』があって、やっぱりうまいなぁ、と。ならばと思ってデビュー作が載っているこの電子書籍を買ってみた。勇んで読み始めたけど、う…

読書メモ:『夫・車谷長吉』(高橋順子/文春文庫)

やっぱり『赤目四十八瀧心中未遂』を読んで感動した後は、作者本人がどういう生活していたの? と気になって、だれでもこの本を手に取るよね(そんなことないか)。奥様の高橋順子さんが、車谷長吉氏と出会ってから、結婚してともに暮らし、氏が亡くなるまで…

読書メモ:『赤目四十八瀧心中未遂』(車谷長吉/文春文庫)

本棚の隅っこに引っかかっていた、同じ作者の『忌中』という本を読んで、そういえば車谷長吉の作品は昔熱中して読んだよね、と思い出して、なつかしくなって電子書籍で買い直して読んでみた。たまたま書けたのかもしれないけど(と言ったら作者に失礼か)、…

読書メモ:『悪いうさぎ』(若竹七海/文春文庫)

前回メモを書いた『依頼人は死んだ』と一緒に買ってきた本。『依頼人は死んだ』は自分的にイマイチだったので、『悪いうさぎ』も敬遠していたけど、こちらは面白いじゃないか。一気に読んでしまった。けっこうページ数あるけど、飽きさせずにぐいぐい引っ張…

読書メモ:『依頼人は死んだ』(若竹七海/文春文庫)

テレビでこのドラマ・シリーズが放映されていたので観てみたらけっこう面白かったので、じゃ原作は、ということで読んでみた。が、どうかなぁ、という感じであまり楽しめなかった。オシャレに描いてあるんだろうけど、ちょっと説明不足な感じで、お話しの主…

読書メモ:『愛の領分』(藤田宜永/文春文庫)

病院からの帰り、小田原の書店で購入した三冊のうちの一つ。ふらっと立ち寄ってさっと買えるようになったのは、気分がだいぶ好転してきた証拠かも。その甲斐があった。1ページ目から好みの描写。久しぶりに濃密な大人の小説を読んだ感じ。登場人物の立体感が…

読書メモ:『検事の本懐』(柚月裕子/角川文庫)

またまた放置してしまった。一か月ぐらい前に読み終わっているというのに今頃読書メモを書いてるなんてね。全五話の連作短編。初めて読む作家さんで、パラパラとめくってみた感じが良かったので買ってみた。なかなか本格的で「当たり」という感じ。風采が上…

読書メモ:『瑕疵物件ルームホッパー』(響野夏菜/集英社オレンジ文庫)

よく考えたら、はてなブログにはAmazonの商品を紹介する機能があって、アソシエイトIDを入力しなくてもこの機能を利用できることに気づいて書影の問題があっさりと解決した。ということで、やはりJugemからこっちに移ることにした(行ったり来たり何回やって…