未読手帖Ⅱ

  ― 読書とお散歩の日々、ときどき仕事。 ―

読書メモ:『愛の領分』(藤田宜永/文春文庫)

病院からの帰り、小田原の書店で購入した三冊のうちの一つ。ふらっと立ち寄ってさっと買えるようになったのは、気分がだいぶ好転してきた証拠かも。

その甲斐があった。1ページ目から好みの描写。久しぶりに濃密な大人の小説を読んだ感じ。登場人物の立体感がハンパない。文字に記されているだけなのに、ページの間から活き活きと浮かび上がるようだ。主人公の職業がテーラーというのと、もう一つの舞台が長野県の塩田平というのも何か親近感があって楽しめた。

恥ずかしながらこの作家の作品を読むのは初めて。他のもの読んでみたい。

愛の領分 (文春文庫)

愛の領分 (文春文庫)

  • 作者:藤田 宜永
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/06/10
  • メディア: 文庫
ごく私的評価: ★★★★☆