未読手帖Ⅱ

  ― 読書とお散歩の日々、ときどき仕事。 ―

空白

また一か月以上あいだが空いてしまった。本人はいろいろやっているつもりだが、これといった成果もなく、暑い日々をただただ無難に過ごしてきたのにすぎないかもしれない。が、振り返ってみると、いったい自分でも何をしていたのか不思議。まさに空白という感じ。

思いついたのを一つだけ書くと、これまで撮り溜めてきた写真をGoogleフォトを使用してクラウドに保存した。「同期とバックアップ」という機能を利用すると、指定したフォルダーとその下位のサブフォルダー群にある写真をいっぺんにアップロードできて便利だった。これで、1997年からの写真をバックアップできたたとともに、スマフォでもiPadでも見られるようになった。これまで自分の部屋とか顔とかのプライベートな写真をクラウドに保存すると、設定の誤りとか不正アクセスとかで漏えいするおそれがあってイヤだな、と思っていたけど、そんなことありそうもないし、見られて特に困るような写真もないしね。

写真の総枚数は61,799枚だった。デジタルカメラを使いだしたのが1997年なので、24年間で割ると、1年あたり約2500枚。月200枚ちょっと。まぁまぁの量ですかね。前にも書いたと思うけど、奇麗な花の写真よりも、何気なく撮った食卓の写真とかの方が、後で見てどういうわけか感慨深い。

ま、そんな感じでボチボチやっています。毎回のお約束だけど、もっと更新しないとね。

踏ん切り

むかし使っていたワークステーションのモニターを粗大ゴミで捨てた。記念碑的な意味合いのあるマシンだったので残しておいたのだが、場所を取るし、引越しする予定でもあるので踏ん切りをつけた。これを機に新しい世界を拓いて行きたい、という気持ちも込めて。

Amazonプライムで観た『劇場』が面白かったので、原作の小説の方をKindleで読んだ(Amazonの狙いどおりかも)。小説の方も非常にいい感じ。又吉さん、才能あるなぁ。著者あとがきに、これは「2000年代初頭の東京を舞台としてはじまる」と書いてあって、なるほどと思うと同時に、当時の自分のことも思い出されてなんかしんみりしてしまった。

劇場(新潮文庫)

劇場(新潮文庫)

  • 作者:又吉直樹
  • 発売日: 2020/02/14
  • メディア: Kindle版

最近は『Home Land』シリーズを観ている。シーズン7まできた。シナリオが綿密なのと役者さんがうまいのでとても見応えがある。こういうの作れるのって、アメリアはパワーあるな。

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いよいよ書くことがなくなったきたので、たまには日常を日記風に書いてみることにした。

読書メモ:『変調二人羽織』(連城三紀彦/光文社文庫)

ようやく自粛が解除されたけど、まだ出歩いていないわけで、本棚にある本をテキトーに読み返している。その中に『戻り川心中』があって、やっぱりうまいなぁ、と。ならばと思ってデビュー作が載っているこの電子書籍を買ってみた。

勇んで読み始めたけど、うーむ。ところどころ異彩を放っているのはわかるんだけど、ちょっと楽しめないなぁ、というのが正直な感想。ほかにも「ある東京の扉」「六花の印」「Mebiusの環」「依子の日記」が収録されている。「六花の印」がなんとなく雰囲気ある。

変調二人羽織 (光文社文庫)

変調二人羽織 (光文社文庫)

ごく私的評価: ★★☆☆☆

読書メモ:『夫・車谷長吉』(高橋順子/文春文庫)

やっぱり『赤目四十八瀧心中未遂』を読んで感動した後は、作者本人がどういう生活していたの? と気になって、だれでもこの本を手に取るよね(そんなことないか)。

奥様の高橋順子さんが、車谷長吉氏と出会ってから、結婚してともに暮らし、氏が亡くなるまでの日常が克明に描かれている。まー、作家やってるぐらいだから平凡じゃないよねと思っていたけど、ホントに波瀾万丈。とりわけ出会った頃の純情さが素朴というか素敵で、読んでいてこちらまでワクワクしてくる。当時の絵葉書を見てみたい。作品集とかになっていないのかな。あと、お亡くなりになった状況もスゴイ、というと不謹慎かもしれないが、言葉が出ない。合掌。

夫・車谷長吉 (文春文庫)

夫・車谷長吉 (文春文庫)

ごく私的評価: ★★★☆☆

読書メモ:『赤目四十八瀧心中未遂』(車谷長吉/文春文庫)

本棚の隅っこに引っかかっていた、同じ作者の『忌中』という本を読んで、そういえば車谷長吉の作品は昔熱中して読んだよね、と思い出して、なつかしくなって電子書籍で買い直して読んでみた。

たまたま書けたのかもしれないけど(と言ったら作者に失礼か)、やっぱり傑作だよねこの作品は。全編を貫く異様さがハンパない。一度読んだのに、結論を知りたくて次々とページをめくってしまう、というか電子書籍なのでフリックしてしまう、だな。

なんか系統立って読まなきゃ、と肩肘張らずに、ちょっと思いついたモノをダウンロードしてサクっと読めばいいのかも、これからは。

赤目四十八瀧心中未遂 (文春文庫)

赤目四十八瀧心中未遂 (文春文庫)

ごく私的評価: ★★★★☆